ゴー宣DOJO

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小林よしのり
2018.1.8 14:47日々の出来事

凶暴になる覚悟


わしの父は56歳で定年退職した。

星野仙一は70歳で死んだ。

そう考えると64歳のわしはもう晩年に入っている

ことになる。

 

自分の年齢や、スタッフの生活や、出版業界の衰退を

目にすれば、わしもそろそろ守りに入らなければなら

ないのかもしれない。

 

出版不況の厳しさは相当なもので、漫画雑誌の編集者が

「下りのエスカレーターを必死で駆けあがっているよう

なもの」と言っていた。

漫画だけでなく全雑誌が部数を落としているのだ。

 

こんな時代に、わしも守りに入るべきか?

仕事場の規模を小さくして、コストカットしまくって、

堅実な仕事をしつつ、穏やかな余生を目指すべきか?

 

だがわしは全然そんな気持ちになれない。

まだ40代の気分で、挑戦と野望しかわしの頭の中に

はないんだが、これっておかしいのだろうか?

 

わしには論敵への礼節がないとか、もっと高みに上れ

などと言う者がいるが、あほらしいこと言うなと思う。

円熟したらダメで、もっと毒牙の毒を増やさねばなら

ない。

ついつい優しくなる自分を反省しなければならない。

 

今年の目標は、もっとギラついて、昔の『ゴー宣』の

「凶暴さ」に戻っていくことだ。

「凶暴」になるぞ――――――!

小林よしのり

昭和28年福岡生まれ。漫画家。大学在学中にギャグ漫画『東大一直線』でデビュー。以降、『東大快進撃』『おぼっちゃまくん』などの代表作を発表。平成4年、世界初の思想漫画『ゴーマニズム宣言』を連載開始。『ゴーマニズム宣言』のスペシャル版として『差別論』『戦争論』『台湾論』『沖縄論』『天皇論』などを発表し論争を巻き起こす。
近刊に、『卑怯者の島』『民主主義という病い』『明治日本を作った男たち』『新・堕落論』など。
新しい試みとしてニコニコ動画にて、ブロマガ『小林よしのりライジング』を週1回配信している。
また平成29年から「FLASH」(光文社)にて新連載『よしりん辻説法』、平成30年からは再び「SPA!」(扶桑社)にて『ゴーマニズム宣言』、「小説幻冬」(幻冬舎)にて『おぼっちゃまくん』を連載開始し話題となっている。

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